安全性翻訳における症状に付く冠詞とは

さて、久しぶりのブログ1回目の記事は、当教室の受講者からも質問の多い安全性情報翻訳における症状の冠詞の問題です。

久しぶりのブログの記事です。2019年10月からブログの更新がされていませんでした。Twitter記事に夢中になっていたというのは言い訳です。これからブログの更新に気をとめていこうと思います。
さて、久しぶりのブログ1回目の記事は、当教室の受講者からも質問の多い安全性情報翻訳における症状の冠詞の問題です。
医療施設などからの安全性個別症例の翻訳演習では、症状を事象とした発現の翻訳では、症状に不定冠詞を付けるようにと指導してます。他方、文献(論文)からの症例では、症状には冠詞をつけないと指導してます。ここで多くの受講生が混乱するようになります。
同じ症状なのにどうして一方は不定冠詞が付き、他方は無冠詞なのかということです。
では、その理由を簡単に説明しましょう。
個別症例では、患者が発現した事象の経過欄などが翻訳の対象になります。個別症例の翻訳の特徴として、患者を主語にし、症例を具体的に扱い、患者の辿った経過が描写されます。よって、症状も具体的なものとして捉えられので、最初の症状の発現の翻訳では不定冠詞をとることになります。
文献(論文)からの症例に関する翻訳はどうでしょうか?症状は具体的に取り上げられているでしょうか?実は症状は抽象的に取り扱われております。だから、定冠詞、不定冠詞の付かない無冠詞とするのが一般的です。