今回は、医薬翻訳入門コースを受講された多くの受講生が質問される問題について説明したいと思います。
多くの受講生が、コース名に「医薬翻訳」というのが付いているので、一般の英語、他の翻訳と異なるのではないかと考えがちです。
医薬翻訳で使用する英語も、皆さんが日常で使用している英語も基本は同じです。ただ、その分野で長い間使用されてきた構文、スタイル、用語などが特別に感じさせるものと思います。
日本語でもそうですが、初めて法律文章を読むと何を書いているのか1回読んだだけでは理解しにくいですよね。
でも、法律の専門家にとってはあの文章スタイルでないとかえって内容を読み違えるということです。
医学論文の文章も専門家でない人にとっては理解しにくい部分も多くあります。しかし、法律文章と同じく、この論文スタイルでないと、専門家にとってはかえって理解しにくいものになります。横道にそれました。医薬翻訳入門コースを受講された多くの受講生が質問される問題に戻りましょう。
それは何かといいますと、冠詞の問題です。有害事象に冠詞は付きますかということです。付くなら、どの冠詞がつきますか?
受講生からのこの質問に対して、最初の答は次のようなものです。

安全性情報報告で報告される代表的な有害事象に症状、臨床検査値の増減、疾病(病気)があります。これらの有害事象の発現が経過欄に初めて記載されるときは、冠詞は次のように処理します。

症状:不定冠詞を付けます。(a, anの使用区別を間違わないように)

臨床検査値の増減:不定冠詞を付けます。

疾病:冠詞を付けません。無冠詞となります。

ただし、上記の内容は、個別症例の安全性情報報告の経過欄についてのことです。医学論文の症例報告では、有害事象を学問的に扱うために概念的に捉えるので、症状、臨床検査値の増減、疾病(病気)は、すべて冠詞が付かなく無冠詞となります。