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安全性おじさんの安全性情報講座 第6回

2022-11-04 16:57


今回は「報告要件」について学習しましょう。

医薬品の安全性情報報告における「報告」とは、当局に有害事象(副作用)を報告することを言います。
副作用等の報告について、医薬品医療機器法第68条の10には以下のように記載されています。

医薬品医療機器法第68条の10

(副作用等の報告)
第68条の10 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造販売業者又は外国特例承認取得者は、その製造販売をし、又は第19条の2、第23条の2の17若しくは第23条の37の承認を受けた医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、傷害又は死亡の発生、当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生その他の医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の有効性及び安全性に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知ったときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならない。

「報告」についての記載は、上記のほか、医薬品医療機器法第68条の13に、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に情報の整理を任せることできることを記載し、実際、製薬企業などは「報告」をPMDAに行っております。

「報告」に関する詳しい説明は、医薬品医療機器法施行規則第228条の20、医薬品医療機器法施行規則第228条の23に記載されております。

報告要件

「報告要件」とは、医薬品で有害事象が発生したら、当局(医薬品医療機器総合機構:PMDA)に報告する義務が発生するかどうかを判断するための条件です。
安全性情報では、薬の種類、情報の入手元(国内か外国か)、報告の種類で「報告要件」」が変わってきます。
安全性情報報告では薬を「医薬品」と「治験薬」に区分して考えます。
では、「医薬品」とはなにか、」「治験薬」とはなにかを説明します。
「医薬品」は次の項目に」該当する薬です。

  • 日本で承認・認可されたもの
  • 外国で使用されている物(治験中の物も含む。)であって、当該医薬品と成分が同一のものを指し、投与経路、用法、用量、効能、効果等が異なる場合も含まれる。
  • 試験研究用医薬品(製造販売後臨床試験等で使用するもの。治験薬を除く。)
  • 比較臨床試験の対照薬

「治験薬」」は次の項目に」該当する薬です。

  • 治験の対象とされる薬物
  • 外国で使用されている物(治験中の物を含む。)であって、当該治験薬と成分が同一のものを指すものであり、投与経路、用法・容量、効能・効果等が異なる場合も含まれる。

「医薬品」と「治験薬」について、「報告要件」が報告の種類により異なり、しかもタイムフレームも異なるので、別々に数回に分けて説明することにします。
タイムフレームとは、安全性情報報告を「報告要件」に照らした結果、その報告をいつまで当局(PMDA)に報告しなければならないかを示す期日です。
それでは、「報告要件」を示して、その有害事象が報告対象になるのか、ならないのか、報告対象となるとしたらタイムフレームはどうなのかを説明した表を記載します。

医薬品の報告対象とタイムフレーム

    • 副作用症例報告

    上記表の詳細な解釈、注意は直接グリーンブックを参照してください。

次回は「医薬品」の感染症症例報告の報告対象とタイムフレームを説明します。