会員限定

会員ログイン

【 連載コラム 】

遠い宇宙の果てから現在までの時空の散歩(1)

「131億光年かなたの銀河で酸素発見‐我が国が中心となってチリのアタカマ高地に建設した世界最大の電波望遠鏡アルス望遠鏡で大阪産業大と東京大などのチームがScienceに発表。酸素濃度は水素の2000分の1」

2016-08-10 20:23

会員限定コラム

「131億光年かなたの銀河で酸素発見‐我が国が中心となってチリのアタカマ高地に建設した世界最大の電波望遠鏡アルス望遠鏡で大阪産業大と東京大などのチームがScienceに発表。酸素濃度は水素の2000分の1」

という主旨のニュースが新聞紙面に踊ったのは今年の6月17日。このニュースに「ホントー?!」って驚き記憶している人が多いかもしれません。

ハッブル望遠鏡により大気圏外の宇宙の観測が可能になり、宇宙が膨張し続けていることが実測され、それを逆算することにより宇宙の誕生(ビッグバン)が約137億年前に起ったと最近は信じられています。つまり、前述のニュースは宇宙誕生の約6億年後のお話し。

その頃の原始大気は最も単純な元素である水素・ヘリウムなどであったことは推測できることですが、リチウムも入っていた可能性があります。その中に極微量の酸素が含まれていたことが史上最古の酸素として注目を集めています。現在の地球の大気中の酸素は21%。単純計算すると、今回観測された原始大気中の酸素の約420倍以上になります。
(次回に続く)