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【 連載コラム 】

遠い宇宙の果てから現在までの時空の散歩(2)

ここに達するまでの生命史を見ると地球が約46億年前に誕生し、27億年前になって光合成生物シアノバクテリアが古細菌と共生して葉緑体を持った植物が生まれ、二酸化炭素が代謝され酸素が排出され急激に増加しました。

2016-08-22 09:30

会員限定コラム

ここに達するまでの生命史を見ると地球が約46億年前に誕生し、27億年前になって光合成生物シアノバクテリアが古細菌と共生して葉緑体を持った植物が生まれ、二酸化炭素が代謝され酸素が排出され急激に増加しました。

この酸素をうまく利用できるか否かがその後の生物の進化に強く影響したと考えられます。

約21億年前になって酸素呼吸生物リケッチャ類細菌が真核生物と共生することにより、細胞のミトコンドリアとして酸素を利用し栄養素を酸化することにより、あらゆる生命活動に共通の「通貨」として使われるATP (アデノシン‐3リン酸)の生産工場としての機能を発揮します。
このミトコンドリアの機能は20万年前に登場したホモサピエンスにも、現在の私たちにも受け継がれています。私たちの呼吸で取り込まれた酸素はまさにこのミトコンドリアでそのほとんどが利用されています。

私たちは例外なく母親の体内を出て「オギャー」と産声を上げたときから自律的な生命活動の一部として呼吸を続けています。産声を上げたとき、はじめて私たちの空っぽの肺に入った空気の一部は肺の一番奥の残気の中に一生残っているかも知れません。肺活量を測定した時、最高に胸郭を引き絞めて呼気を全部吐き出しても、まだ肺にとどまる残気が常に相当量あるのですから。